日本臨床麻酔学会誌
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短報
硬膜外カテーテルの硬膜下腔迷入によって尾側に広範な知覚・運動麻痺をきたした1例
坊木 香寿美吉田 朱里川股 知之
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2021 年 41 巻 1 号 p. 42-46

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抄録

症例は75歳男性で,胸腔鏡下肺切除手術が予定された.Th7-8より硬膜外カテーテルを留置し,アドレナリン添加2%リドカイン3mLを投与,冷覚低下を確認後に全身麻酔を行った.手術開始前,終了前に0.25%レボブピバカイン計8mLを単回投与するとともに,術中はフェンタニル添加0.125%レボブピバカインを5mL/hで持続投与した.手術終了後Th5-6以下で広範囲な知覚・運動麻痺を認めた.麻酔薬の持続投与を中止し,硬膜外カテーテルから造影剤を投与したところ,脊椎後側に8椎体にわたって広がる線状陰影を認め,硬膜下腔への留置が疑われた.投与中止約6時間30分後に知覚・運動麻痺は消失し,その後合併症なく退院した.

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© 2021 日本臨床麻酔学会
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