日本臨床麻酔学会誌
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〔日本臨床モニター学会〕第32回日本臨床モニター学会総会 教育講演
自動化の光と陰
木山 秀哉
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2022 年 42 巻 4 号 p. 402-407

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抄録

家庭の床を這いまわる掃除ロボットほど明示的でなくとも,従来人間が行っていた作業を肩代わりする「自動化システム」は社会のさまざまな分野に浸透している.「自動化」を推進する要因の一つは急速に進む社会の高齢化である.周術期医療に関連する自動化システムの発展は目覚ましく,全静脈麻酔の維持,血圧制御に関しては麻酔科医の手動調節よりも優れた結果を出し得る.しかし,最新技術の粋を集めた自動化システムが常に最善の結果をもたらすとは限らない.優秀な自動化システムに管理を任せることで生じる時間的余裕がデジタル機器の誘惑に負けるなら,真の安全は担保されない.

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© 2022 日本臨床麻酔学会
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