2022 年 42 巻 7 号 p. 664-668
医療事故調査制度は,医療安全の確保と再発防止を目的とし法的責任とは切り離されたものとして,2015年から施行された.報告数,院内調査方法などまだまだ課題はあるが,16の提言も公表された.解剖が行われたのは約4割弱で,行われた解剖のうち約2割が司法解剖となっている.また本制度は,医療機関が行う院内調査であるが,センター調査が約9%に至る.本制度が本来は,法的責任とは切り離された制度であることから,これらのことは今後の課題となる.国の他の医療安全の制度と連携してさらに医療の安全が向上することを期待する.