2023 年 43 巻 2 号 p. 155-160
先天性心疾患患者の多くが成人期を迎える時代となり,成人先天性心疾患(ACHD:adult congenital heart disease)の患者が非心臓手術を受ける機会が増加している.ACHDは全身性の疾患であり,非心臓手術の麻酔では術前評価が極めて重要である.ACHD患者の非心臓手術の麻酔管理には,一つの麻酔方法が他の方法に優るというエビデンスはなく,個々の症例において血行動態を把握し,手術のリスクを評価して,生じ得る合併症を予測したテイラーメイドの麻酔管理が重要となる.