日本臨床麻酔学会誌
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プロスタグランジンE1少量持続静注の脳神経外科手術中における体温変動に及ぼす影響
木山 秀哉山田 達也小山 薫武田 純三関口 弘昌福島 和昭
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1992 年 12 巻 1 号 p. 38-43

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抄録
開頭術を予定された成人患者17名を対象として,プロスタグランジンE1の少量持続静脈内投与の術中体温変動に及ぼす影響を検討した.体温測定は膀胱,前頸部(体幹),左示指(末梢)の3ヵ所で行ない,膀胱-末梢および体幹-末梢温度較差を末梢循環の指標として,プロスタグランジンE1群と生食群(対照群)の間で分散分析により検定した.プロスタグランジンE10.02mcg/kg/minの持続投与により,手術後210分まで,中枢-末梢温度較差は対照群に比して有意に小さく保たれた.プロスタグランジンE1投与は長時間の脳神経外科手術の麻酔に際し,末梢循環を維持し,中枢-末梢温度較差を小さくする上で有用であった.
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