日本臨床麻酔学会誌
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血液検査値に影響する動脈圧モニタリングキットの死腔量について
中村 憲子笠間 晁彦西村 欣也片田 光晴奥野 滋子茅 稽二
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1992 年 12 巻 2 号 p. 147-152

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抄録

動脈内留置カテーテルによる圧測定はinvasiveであるが,応用範囲の広さから手術室・ICU・NICU・CCUなどで多く利用されている.しかしこの部分からの採血では,血管穿刺部と採血部間の死腔量が影響し,血液電解質などに正確さの欠けることがある.市販輸液製剤,および臨床症例よりの採血血液を対象とした死腔量と廃液量の関係をNa+, K+, Ca++, Ht,血液ガス分析値等を用いて検討したところ,市販のモニターキットでは正確な値を得るためには死腔量の4倍以上の廃液が必要であり,また死腔部位に細径のチューブを用いた研究では,同じ死腔量であってもより少ない廃液量で正確な値が得られた.以上より正確な血液検査値を得るためには,より細径で死腔量の少ないモニターキットが望ましい.

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