1995 年 15 巻 1 号 p. 83-88
水戸済生会総合病院麻酔科では,隣接する茨城県周産期センター入院症例の緊急手術の麻酔管理と重篤な全身合併症を有する症例の全身管理に協力している。同センター開設後16ヵ月間の患者受け入れ状況および重症症例をまとめたところ,受け入れ症例数は677例,母体搬送例は104例であり,診断名では前期破水が最多で,特に母体搬送例では前期破水と早産で60%以上を占めた。帝王切開術は98例に施行されたが,分娩前に大量出血をきたした症例など緊急性の高いものが多かった。また喘息重責状態,髄膜炎など全身状態のきわめて不良な妊婦の全身管理も経験した。今後一層,母体および児の予後改善に向かって努力が必要である。