日本臨床麻酔学会誌
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敗血症性ショック症例における高サイトカイン血症に対するメチルプレドニゾロン持続投与の有効性
三浦 政直遠藤 重厚稲田 捷也伊藤 彰師馬場 瑛逸勝屋 弘忠
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1996 年 16 巻 2 号 p. 150-156

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抄録

われわれは,大量に産生されるサイトカインを制御し,病態改善を図るため抑制性biological response modifier (BRM)としてのmethylprednisolone (MPS)の比較的,短時間持続投与を敗血症患者4例に行なった.すなわちMPSの初回投与量は5mg/kgとし,その後0.65mg/kg・hを48時間持続投与した.また,MPSの血中濃度の推移を測定した.われわれの投与方法ではMPSの濃度は投与後30分で2μg/mlに達し,以後2~4μg/ml前後で推移した.MPS投与により血中のTNFα,IL-6,IL-8は一様に低下した.臨床症状と各種検査値は投与後24時間には有意に改善された.以上より,敗血症症例での高サイトカイン血症が原因である臓器機能不全に対して,MPSの比較的少量持続投与は有効な治療手段の一つとなりうることが示唆された.

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