1998 年 18 巻 10 号 p. 777-780
気管内挿管不可能と予想された気管狭窄症症例に対し,PCPS (percutaneous cardiopulmo nary support)で酸素化をはかり,気管形成術を行なった症例を経験した.頭部外傷後の情緒不安定な患者に対しプロポフォールと硬膜外麻酔による鎮静・鎮痛下に右腋窩動脈・右大腿静脈より脱送血管を挿入し,V-AバイパスによるPCPSを行なった.術中の麻酔維持には主にプロポフォールと硬膜外麻酔を用い,安定した循環動態と良好な酸素化を得られた.また,術後もプロポフォールで5日間の挿管中良好な創部の安静を得た.