日本臨床麻酔学会誌
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顔面神経麻痺再発症例の臨床的検討
樋口 比登実増田 豊八代 亮岡本 健一郎小堀 正雄細山田 明義
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1998 年 18 巻 4 号 p. 370-374

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抄録
顔面神経麻痺患者は外来受診患者総数の12.6% (817名)に相当し,うち7.0% (57名)が再発性顔面神経麻痺であった.再発性麻痺患者に関し性差はなく,罹患側では同側再発に比し反対側再発のほうが高頻度であった.発症年齢は成壮年層に集中していた.また,家族内発生の頻度も高くなんらかの遺伝的要素が関与していると考えられた.従来顔面神経麻痺の誘因あるいは素因にあげられている糖尿病に罹患している患者は少なく,高血圧,肝機能障害の既往をもつ患者の比率のほうが高かった.今回の検討より顔面神経麻痺再発の因子として,遺伝的形態学的素因,血管性変化,肝機能障害などが考えられることが示唆された.
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