日本臨床麻酔学会誌
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先天性表皮水疱症の麻酔経験
香取 信之森崎 浩津崎 晃一落合 亮一武田 純三
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1998 年 18 巻 5 号 p. 514-517

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抄録

先天性表皮水疱症は軽度の機械的刺激により皮膚・粘膜に水疱・びらんを形成する疾患である.本症を有する8歳男児の瘢痕性合指症に対する切り離し術の麻酔を経験した.本症例ではケタミンの投与と腕神経叢ブロックの併用により良好な結果を得た.患者への機械的刺激を避けるため,モニターの装着は必要最小限に努め,粘着テープなどは使用しなかった.また,気管内にも水疱を形成する可能性があるため気管内挿管は行なわなかった.本疾患は頻回の手術を必要とすることが多く,可能なかぎり気管内挿管を避け,神経ブロックや局所麻酔を応用すべきである.

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