日本臨床麻酔学会誌
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医療ガス配管酸素供給圧上昇に起因した麻酔用人工呼吸器の内部チューブ破損事例
加藤 啓一種田 益造柄澤 俊二管野 敏夫加藤 信也
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1999 年 19 巻 9 号 p. 579-583

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抄録

始業点検時に麻酔用人工呼吸器の作動不良が生じた.その原因は医療ガス配管酸素供給装置内にある圧力調整器の故障と人工呼吸器内にある高圧用圧力調整器の故障とが重なり,人工呼吸器回路にリークを生じたことによると判明した.すなわち液化酸素送ガス圧力調整器が異物混入により故障し,医療ガス配管酸素供給圧が液化酸素貯槽内槽圧に等しい6.3kgf•(cm2)-1まで上昇した.さらに人工呼吸器内にある高圧用圧力調整器のバルブシートに傷があったため,内槽圧まで上昇した酸素供給圧が減圧されずにそのまま人工呼吸器内の回路に負荷され,耐圧限界を超えたチューブが破裂した.麻酔器の始業点検,定期点検,定期的オーバーホールなどの重要性ならびに医療ガス配管圧上昇に対する安全機構の必要性を再認識した.

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