抄録
急性間欠性ポルフィリン症(acute intermittent porphyria: AIP)の患者に対する帝王切開術の麻酔を経験した.本症例は卵巣嚢腫茎捻転にて3度の手術を経験しており,術後症状の悪化によりAIPと診断された.麻酔はプロポフォール,ベクロニウムにて挿管,児娩出後にフェンタニルを追加し,酸素,亜酸化窒素,プロポフォールで維持した.術後経過は良好であった.AIPは,薬剤が誘因となって急性発作を引き起こすことや,胎児への影響を考慮すると麻酔法や薬剤の選択は限定される.プロポフォールはAIP患者や帝王切開術で安全に使用できるとの報告があり,プロポフォールを中心とした全身麻酔で良好に管理し得た.