日本臨床麻酔学会誌
Online ISSN : 1349-9149
Print ISSN : 0285-4945
ISSN-L : 0285-4945
陽圧換気により右横隔膜下free airの貯留を認めた気管支腹腔瘻の1症例
相方 謙一郎相原 啓二南立 宏一郎村上 昌宏蒲地 正幸重松 昭生
著者情報
ジャーナル フリー

2002 年 22 巻 1 号 p. 53-55

詳細
抄録
気管支腹腔瘻は非常にまれな病態である.今回,人工呼吸管理により,右横隔膜下にfree airの貯留を認めた気管支腹腔瘻の症例を経験した.患者は55歳の男性,イレウス症状のため小腸癒着剥離術を施行した.術後ショック状態となり人工呼吸管理を開始したが,開始直後の胸部X線写真で右横隔膜下にfree airの貯留を認めたため緊急開腹術を施行した.術中に人工呼吸に同期したair leakと術後に気管支ファイバーで腹腔内洗浄液のポビドンヨード生理食塩液の流出が観察されたため,気管支腹腔瘻の存在が明らかとなった.陽圧換気により腹腔内にfree airの貯留を認めたときには,気管支腹腔瘻の存在も念頭におく必要がある.
著者関連情報
© 日本臨床麻酔学会
前の記事
feedback
Top