日本臨床麻酔学会誌
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帝王切開術中に用いる子宮収縮薬の体循環への影響および副作用について
オキシトシンとプロスタグランジンFの比較
平田 孝夫金子 秀一小泉 有美馨宮崎 孝尚山下 茂樹米井 昭智
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2002 年 22 巻 3 号 p. 136-140

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抄録
帝王切開時に用いる子宮収縮薬のオキシトシン(OX)とプロスタグランジンF(PGF)の体循環への影響と副作用について検討した.対象は脊椎麻酔下に帝王切開術を受けた基礎疾患のない妊婦68人で,OX群(n=34)では0×5単位を点滴静注し,PGF群(n=34)ではPGF500μgを子宮筋内に注入した.患者背景に群間差はなかった.子宮収縮薬投与直後,5分後の血圧はPGF群で有意に高かった.心拍数に有意差はなかった.副作用発生率(OX群=PGF群,32%=71%,p<0.05),および子宮収縮薬の追加投与頻度(6%:47%,p<0.05)はいずれもPGF群で有意に高かった.帝王切開時の児娩出後に使用する子宮収縮薬として,OXはPGFと同等かそれ以上の効果を示し,血行動態の変動,副作用がPGFと比べ少ないと考えられた.
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