日本臨床麻酔学会誌
Online ISSN : 1349-9149
Print ISSN : 0285-4945
ISSN-L : 0285-4945
岩手医大高次救急センターにおける心停止の検討
柴田 茂治安井 豊谷口 繁桑田 雪雄古川 公一郎鈴木 智之星 秀逸
著者情報
ジャーナル フリー

1983 年 3 巻 3 号 p. 323-328

詳細
抄録
岩手県高次救急センターが開設されてから20ヵ月間に1982例が入院, 治療された. 死亡数は291例 (14.6%) であった. DOA (dead on arrival) は119例 (6%) で, 内訳は外傷群33例, 非外傷群86例であった. DOA 119例のうち17例は死体検案で, 残りの102例に心肺蘇生術が行われた. 蘇生後5時間以上生存したのは (蘇生成功例) 24例 (23%) で, このうち5日以上の生存は9例 (8.8%), 意識清明で退院出来たのは僅か3例 (2.9%) であった. 蘇生不成功は78例 (76%) で, このうち8例が2時間から4時間生存し, 70例 (68%) は全く蘇生出来なかった. DOA例は心停止時の目撃者がほとんどいなく, 直ちに一次救命処置を受ける機会も少なく蘇生率は非常に悪かった.
著者関連情報
© 日本臨床麻酔学会
前の記事 次の記事
feedback
Top