抄録
岩手県高次救急センターが開設されてから20ヵ月間に1982例が入院, 治療された. 死亡数は291例 (14.6%) であった. DOA (dead on arrival) は119例 (6%) で, 内訳は外傷群33例, 非外傷群86例であった. DOA 119例のうち17例は死体検案で, 残りの102例に心肺蘇生術が行われた. 蘇生後5時間以上生存したのは (蘇生成功例) 24例 (23%) で, このうち5日以上の生存は9例 (8.8%), 意識清明で退院出来たのは僅か3例 (2.9%) であった. 蘇生不成功は78例 (76%) で, このうち8例が2時間から4時間生存し, 70例 (68%) は全く蘇生出来なかった. DOA例は心停止時の目撃者がほとんどいなく, 直ちに一次救命処置を受ける機会も少なく蘇生率は非常に悪かった.