気管, または気管支形成術の9例の麻酔管理を経験し, 術中および術後合併症などの問題点について検討した. 対象疾患は, 原発性肺癌5例, 気管腫瘍, 気管カルチノイド, 気管支結核, 炎症性気管狭窄が各1例であった.
麻酔管理上, 術式により片肺換気法が必要となる場合があり, 著しい低酸素血症をきたすこともある. そのため, 患側肺に対してHFJVなどの換気法の配慮が必要と思われた. また, 術中, 術後を通じて, 気管支ファイバーでの直視下吸引が無気肺の予防などに有効であった.
気管形成術では, 長期間経口摂取がとれないため, 術後, 慎重な栄養管理が必要であると思われた.