日本臨床麻酔学会誌
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大量フェンタニール麻酔による冠状動脈バイパス術後高血圧に対するモルヒネの予防的投与
熊野 穂高西和田 誠石村 直子
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1987 年 7 巻 4 号 p. 419-425

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抄録

冠状動脈バイパス術後の高血圧を予防するためにモルヒネを投与した.
冠状動脈バイパス手術29例を大量フェンタニール麻酔下に行い, 人工心肺後にモルヒネ0.3~1.7mg/kgを投与した19例をFM群, 投与しなかった10例をF群とし, 両群間の術中から術後の各期間の血圧, 心拍数, rate pressure product (RPP) の最大値を比較した. 術直後から術後6時間までの期間では, FM群の収縮期血圧 (P<0.01), RPP (P<0.05) が, F群に比べ有意に低値を示した. 人工心肺後にモルヒネを投与することは冠状動脈バイパス術後早期の高血圧の予防に有効である.

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