日本臨床麻酔学会誌
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衝撃波体外砕石療法の麻酔管理
平林 由広吉沢 由利子井上 荘三郎
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1987 年 7 巻 6 号 p. 511-515

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抄録

411症例延べ458回の衝撃波体外砕石療法の麻酔管理について検討し考察を加えた. 硬膜外麻酔を第一選択とし409症例に延べ456回施行した. 全身麻酔は硬膜外麻酔の適応のない2症例に施行した. 循環器系の変化としては不整脈またはST扁位が12例に認められた. これらの変化は一過性で, 衝撃波発射の中止によりただちに消失し, 臨床的にも重篤な愁訴はなかった. 衝撃波治療との直接の因果関係は不明であった.
衝撃波体外砕石療法の麻酔管理は硬膜外麻酔が最も適していると思われた. しかし、硬膜外麻酔が十分に効いている場合でも腰背部の圧迫感が残存すること, 迷走神経に由来すると思われる上腹部の不快感が少なからずあること, 特殊な体位で固定されるための不安感が強いこと, 浴槽中に宙吊りで保持されるため cardiac emergency への対応が困難なことなど解決されるべき問題も多く残されている.

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