抄録
彰化は, 台湾の中央にあり, 広大な農業圏の中心です. 当病院におけるパラコート中毒の最初の症例は, 1977年にみられ, それ以来その数は年毎に増大し, 全体として600症例以上となった. 中毒時, 妊娠していた9症例を含む興味深い症例を報告した. 羊水, 胎児及び臍帯血からのデータは, パラコートが胎盤を通過し, 母体血より4~5倍の濃度に濃縮されることを示している. いくつかの意見の分かれている新しい治療法を検討した. 低線量の放射線療法が9症例に対して行なわれ, うち3例は生存した. 改善された「持続血液灌流法」は, 100症例以上に臨床的に用いられており, DHP-1カラムの活性炭のパラコート吸着に関する実験的検討も行なわれた. 低酸素療法は, 通常用いられており特定の症例 (妊婦又は小児) においては, 麻酔中も用いられた. これらの試みは, 私たちの生存例における血中濃度が5年前における0.68μg/mlから今年における8.9μg/mlと増大するという結果をもたらした.