抄録
各種薬剤治療及び従量式人工呼吸器の使用に抵抗を示した気管支喘息重積発作患者に対し, HFO (High Frequency Oscillation) を併用し、気道内分泌物の排出促進効果を得た. 喘息発作の重積化においては, 気道内に広範に存在する粘液充填がその重要な因子と考えられ, 本症例においてもこの粘液栓の除去が必須条件と考えられた. このため Servo Ventilator 900CのIPPVに, 駆動圧0.8kg/cm2, 周波数12Hzの条件でHFOを重畳させ, 数時間後より気道内分泌物の粘性の低下, 著明な排出の増加がみられ, 呼吸状態の改善を得たので報告する.