日本臨床細胞学会雑誌
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症例
結節性硬化症に随伴してみられた脳室上衣下巨細胞性星細胞腫の 1 例
安倍 秀幸河原 明彦杉田 保雄山口 知彦真田 咲子矢野 博久鹿毛 政義
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2011 年 50 巻 3 号 p. 186-190

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抄録
背景 : 脳室上衣下巨細胞性星細胞腫 (subependymal giant cell astrocytoma : SEGA) は, 良性の脳室内腫瘍であり, 結節性硬化症患者に発生することが知られている. 今回われわれは, 結節性硬化症患者に随伴してみられた SEGA を経験したので圧挫細胞診所見を中心に報告する.
症例 : 10 歳代, 男性. 生後 1 歳未満に近医で結節性硬化症と診断され経過観察をしていた. 約 9 年後に水頭症と左側脳室腫瘍を指摘され, 脳腫瘍摘出術が施行された. 圧挫細胞診標本において腫瘍細胞は, 細長い毛様状の細胞質を有する紡錘形細胞と境界明瞭で大型円形の核偏在性を示す肥絆細胞様細胞がみられた. 組織標本では, 腫瘍は肥絆細胞様細胞と毛様状の細胞質を有した細胞の増殖からなっていた. 免疫組織化学にて一部の肥絆細胞様細胞に (glial fibrillary acidic protein : GFAP) および neurofilament の発現を認めた. また, MIB-1 index は 1%未満であり SEGA と診断した.
結論 : SEGA は特徴的な臨床病理学的所見を呈する. そのため, 細胞診においても臨床情報を踏まえ肥絆細胞様細胞および紡錘形を呈する strap cell を確認することにより推定可能である.
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© 2011 公益社団法人 日本臨床細胞学会
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