日本がん看護学会誌
Online ISSN : 2189-7565
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原著
肝がん患者の闘病継続力に関する検討
―闘病者の生活調整に焦点をあてて―
永松 有紀野本 ひさ
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2007 年 21 巻 2 号 p. 4-13

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抄録

要 旨

本研究は,闘病生活を続ける肝がん患者の意識や行動を「闘病継続力」としてとらえ,査定する質問紙を開発し,その信頼性と妥当性を検討することを目的として行った.研究の第一段階として,Oremの理論と21名の肝がん患者を対象に半構成的面接法を用いて収集したデータをもとに,90項目からなる質問紙原案を作成した.第二段階として,質問紙の信頼性と妥当性を検討した.まず,質問紙原案を用いて肝がん患者15名を対象に表面妥当性の検討を行い,質問項目を46項目に修正した.次に,92名の肝がん患者を対象に修正した質問紙を用いて調査を行い,構成概念妥当性,内的整合性を検討した.因子分析を行い因子負荷量を吟味した結果,最終的に闘病継続力質問紙は【療養行動】,【支援に対する実感】,【医療への期待】,【意欲と信念】の4下位尺度25項目から構成された.質問紙全体のクロンバックのα係数は0.89であり,各下位尺度で0.68~0.85となり,内的整合性が確認された.以上の結果より,質問紙として一定の信頼性および妥当性が得られた.また,闘病継続力の特徴として,年齢や通院施設数により影響を受けることが明らかになった.今後さらに,本研究結果をふまえて質問紙を洗練していく必要がある.

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2007 一般社団法人 日本がん看護学会
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