日本がん看護学会誌
Online ISSN : 2189-7565
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研究報告
がん看護実践上の課題から見出された外部コンサルテーションニーズ
─がん診療連携拠点病院の職階によるニーズの違い─
川崎 優子内布 敦子荒尾 晴惠松本 仁美成松 恵
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2012 年 26 巻 2 号 p. 54-61

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抄録

要 旨

本研究の目的は,がん看護領域における外部コンサルテーションニーズを明確化することである.がん診療連携拠点病院の看護部長3名,治療期病棟の看護師長20名・看護師22名を対象に,外部コンサルテーションニーズについてインタビューを行い,得られたデータの内容分析を行った.

がん看護領域における外部コンサルテーションニーズとして,看護部長からは3つ,看護師長からは3つ,看護師からは1つ,合計7つのカテゴリが抽出された.外部コンサルテーションニーズとして抽出された課題は,【がん治療を推進するための看護実践能力の強化】,【がん看護を担う人材の育成】,【新人看護師の育成】,【専門家を生かす組織体制づくり】,【キャリア開発支援】,【看護スタッフのメンタルヘルス】,【セルフコントロール】の7つであり,直接ケアに関わる課題,看護師を支えるための課題の2つに大別された.これらの課題を解決するには,組織内の人材では限界があり,外部コンサルタントのようなリソースが身近にあれば活用したいというニーズがあることが明らかになった.

がん看護領域における外部コンサルテーションは,がん医療の高度化や国の施策に応じた柔軟なコンサルテーションを進めること,がん看護実践能力の強化,看護者を支えるためのサポートが外部コンサルタントに求められた役割であるということが示唆された.

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2012 一般社団法人 日本がん看護学会
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