2009 年 11 巻 1 号 p. 81-84
当科の肺がん術後病診連携パス(以下、連携パス)の現状と今後の展望について報告する。2006年8月~2008年4月までに手術を施行した99例を対象とした。男性61例、女性38例で、年齢は46~85歳(68.8±8.7歳)。転帰不明例と死亡例を除く93例のうち51例(55%)で病診連携ができた。外来担当医3名でややばらつきはあったものの StageIの早期症例で連携しやすい傾向にあった。バリアンスは3例(5.9%)に発症し、いずれも再発であったが、病診連携していたことで速やかに治療に移れた。病診連携できなかった理由として、他疾患でフォローされていた例が42例中16例(38%)と最も多かった。以上のことから、今後の課題として、病期別の連携パスや他科との横断的パスの作成が必要と考えられた。また、徳島県では県内統一の肺がん連携パスの作成をスタートさせており、その取り組みも始めている。