日本クリニカルパス学会誌
Online ISSN : 2436-1046
Print ISSN : 2187-6592
実践報告
食道癌手術における術前呼吸リハビリの改善
杉本 典子斉藤 明子小野 笑佳梶浦 優子的場 佳子中村 恵二川原田 陽奥芝 俊一
著者情報
ジャーナル フリー

2013 年 15 巻 2 号 p. 102-106

詳細
抄録

目的:他職種との連携を図りながら、食道癌患者の在宅での術前呼吸リハビリを充実するためのシステムを構築し、術後呼吸器合併症予防につながるかを検討する。

対象と方法:システム構築前の20症例(1群)と構築後の9症例(2群)に分け、オールバリアンス法を用いてバリアンスの分析を行った。外来・理学療法室・病棟が連携してパンフレットの作成とパスの見直し、在宅でのチェックシステムを構築した。システムの稼働前後のパス離脱、バリアンスを比較してその効果を検討した。

結果:SpO2 低下は1群(18%)より2群(27%)に多く発生した。術後呼吸器合併症は1群5症例(25%)、2群0症例(0%)と低下していた。入院まで2症例が喫煙を続けていた。

結論:食道癌手術における術前呼吸リハビリの改善を行った結果、呼吸器合併症の発生予防につながった。9症例中6症例に術前呼吸リハビリの再指導を行い、全症例に入院時まで継続が確認できた。

著者関連情報
© 2013 一般社団法人日本クリニカルパス学会
前の記事 次の記事
feedback
Top