2015 年 17 巻 3 号 p. 288-293
脳卒中地域連携クリニカルパス(以下、連携パス)を7年間運用した経験を踏まえ、今後の維持・改善のために、パスシートの内容、運用、組織、アウトカム等を含めた総合的な質の評価を行うことが必要と考えた。
ドナベディアンモデルを参考に、①Structure構造、②Process過程、③Outcome結果の3階層で合計75の評価項目と評価システムを作成し、計画管理病院と連携医療施設から評価委員を選定し評価を行った。評価結果は、構造では「適切・おおむね適切」が8項目、「あまり適切でない・適切でない」が6項目、過程では「適切・おおむね適切」が24項目、「あまり適切でない・適切でない」が4項目、結果では「適切・おおむね適切」が33項目、「あまり適切でない・適切でない」が0項目となった。
評価結果はおおむね良好であったが、これまで連携活動の中で埋もれていた課題を客観的に把握することができた。
構造では、回復期以降の委員会・運用システム整備、個人情報管理、相談窓口等が課題としてあげられ、運用マニュアル作成やスタッフの認証番号管理の整備を行い、相談窓口の設置を進めている。過程では、パスシートの修正・追加、記入漏れチェック体制、教育・人材育成等があげられ、パスシートの改定、統一された記入マニュアルの作成等を行った。残された課題や、継続して取り組むべき課題もあり、今後も問題点を分析し、パスシート、連携体制の見直しを行っていきたい。