日本クリニカルパス学会誌
Online ISSN : 2436-1046
Print ISSN : 2187-6592
実践報告
現在の電子カルテのアウトカムを短期間でBOMアウトカムに変換させるコツ
−NEC電子カルテを例として−
佐藤 耕一郎嶋本 壽信小野寺 真理廣沼 めぐみ佐藤 光恵高江柄 甫斉藤 桂一加藤 博孝
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2017 年 19 巻 1 号 p. 42-47

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抄録

 NEC電子パスでBasic outcome master(BOM)の変換に多くの労力が必要であり、導入が進んでいない。理由は既存のアセスメントとそれに紐付けされた看護ケア項目をBOMの看護観察項目とそれに紐付けされた看護ケア項目に変換しなくてはならず、さらに詳細設定をするのに多くの時間が必要になるからである。当院では220のクリニカルパス(以下、パス)を「いつでもパス合宿」をはじめ種々の工夫を利用して、NECの見積もりでは5ヵ月、他のBOM導入病院の最速例から算出しても3ヵ月が見込まれるBOM導入日数を1ヵ月で完了したのでその方法とコツを報告する。活動内容としてパス委員長が行った方が早いもの(紐付け表作成など)とパス委員全体で行った方が早いもの(いつでもパス合宿)に分けてBOM導入を行い、紐付け表は調べやすいように、既存アウトカムやアセスメントを五十音順でソートし、BOM関連のアウトカムと看護観察項目は既存のものと区別できるように先頭に星印を付加した。また、24時間8台の電子カルテを設置した1室を開放し、いつでもパス委員がきてBOMの入れ替えができる『いつでもパス合宿』を2週間行ったが、電子カルテ1台を作業用に1台を参照用にすることで効率化を上げることができた。内容が同じ場合は1日コピー機能を利用して時間を短縮した。結論として短期間でのBOMアウトカムへの変換のコツは、個人とグループで行う仕事に分け、「いつでもパス合宿」等でアウトカムの入れ替えを行うことと思われた。

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© 2017 日本クリニカルパス学会
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