クリニカルパスを用いた医療が、紙媒体から、電子化された運用に変わりつつある中で、クリニカルパス活動を支援する様々なシステムの現況を調査し、学会などから配布される標準マスターを用いた標準的な電子クリニカルパスシステムの実装を目指し、一医療機関内だけでなく複数医療機関・学会等でも、電子クリニカルパスシステムで蓄積されたデータが高次利用されるための標準データモデルを考案する。
電子化されたクリニカルパスデータで、病院内と多施設間それぞれの視点での医療・診療の継続的質保証活動・サイクルを支援するためには、各疾病やまとまった診療行為群が記述・描画される、利用・適用前のクリニカルパスコンテンツの作成段階で、標準的な情報・データモデルに基づいて、管理されている必要があることがわかった。
クリニカルパスコンテンツが持つ状況として、時間軸で見た「未来・現在・過去」の情報の存在状況に応じて、「Plan・Procedure・Pathway」の3種類に分類され、本研究のまずはじめの対象として、「Plan」状況のクリニカルパスの標準的なデータ・情報モデルを設計し、構成される要素を整理した。
今後、学会・国などでオーソライズされたクリニカルパスを用いた、モデルの検証・改訂、電子クリニカルパスの実データをもとにした、標準的なデータ構造の検証、標準的電子クリニカルパスコンテンツが管理・改訂される仕組み・機構の必要性が示唆された。