日本クリニカルパス学会誌
Online ISSN : 2436-1046
Print ISSN : 2187-6592
実践報告
婚活パーティーパスを用いたパス教育の取り組み
江田 裕美香丸岡 博信根本 哲紀加藤 真央根岸 亜由美岡芹 恵美萩原 鈴絵渡辺 悦子齋藤 春美増田 由美子曽田 雅之堀江 健夫
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2023 年 25 巻 1 号 p. 3-8

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抄録

 当院では年4回のクリニカルパス(以下、パス)大会を開催し、年度初回のパス大会では主に若手職員向けにパスの基本について周知している。従来のパスの概要や用語の説明では、初めてパスを学ぶ職員や治療過程をイメージしにくい事務職員などにとって難しい内容であった。今回、職種や経験年数を問わずパスの基礎知識を伝える教材として、MRC婚活(Maebashi Red Cross 結婚活動)パーティーパス(以下、婚活パス)を作成した。

 婚活パスは職種にかかわらずアウトカムやタスクがイメージしやすい題材、サービスを受ける側・提供する側という視点で構成されている題材という点を重視し、映像コンテンツのお見合いパーティーを参考に作成した。患者を参加者、医療従事者をパーティーの企画者とし、最終アウトカムをカップル成立とした。

 パス大会では婚活パスを活用し、パスの基本用語の説明、エビデンスをもとにパスが作成されていることを 示した。パス大会の前後で用語やパスの構成 、多職種の関わりについて周知度の変化を比較するアンケートを実施したところ、パス大会後の周知度はすべての設問で有意に向上がみられた。アウトカムがイメージしやすく対人という題材をもとにすることで、実臨床に沿ってアウトカムの抽出・設定や基本について周知できると考える。婚活パスはパスの基礎を周知するための教材になり得ることが示唆された。

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