2001 年 3 巻 3 号 p. 43-50
当病院外科病棟では、成人鼡径ヘルニアに対する手術・麻酔方法の変更による入院期間が短縮可能となった。それに伴い、1泊と4泊コースの患者用・医療者用のクリニカルパスを作成した。1年間の鼡径ヘルニアの手術患者に使用し、患者および医療者側からの声を基にパスに対する評価を行った。
ヘルニア手術患者総数は210名であった。その内、1泊は141名と圧倒的に1泊での手術希望者が多かった。4泊の69名は全て予定通り退院可能であった。1泊は3名が退院延期となった。発熱と疼痛によるバリアンスの発生によるものである。
発熱に対しては、抗生剤投与で改善が図られ、疼痛に関しては、今後検討の余地を残す。
パス使用により、患者・医療者が共通の目標を持って治療・看護に積極的に参加することが可能となり、患者満足度の向上・チーム医療の充実に繋がっていることが考えられた。