日本クリニカルパス学会誌
Online ISSN : 2436-1046
Print ISSN : 2187-6592
実践報告
内視鏡的大腸ポリープ切除術パスにおける指導・説明の工夫
一庵 智子高橋 周史木原 洋美柴田 明美林 睦美大志万 芽久美立木 三千代
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2004 年 6 巻 1 号 p. 87-91

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抄録

 内視鏡的大腸ポリープ切除術(以下CF(P))パスにおける術前オリエンテーション業務の効率化とインフォームドコンセントの充実を目的に、患者用パス表以外にCF(P)の手技や全体の流れに関する説明、前処置薬に関する情報、前処置の方法、食事療法、同意書などをまとめた冊子型パンフレットを作成。パス使用症例に運用した上で、患者39名および担当看護師48名にアンケート調査を行い、その有用性を検討した。オリエンテーションの質の向上の面では、患者、看護師ともに患者の理解度や満足度の向上において有用であると高く評価したが、患者の不安の軽減という意味においては必ずしも十分目は言えない評価であった。また、業務の効率化の面では、過半数の看護師から有用と評価しながらも、オリエンテーションの所要時間の短縮に関しては有用であるとの評価はなされず、今後の課題として残った。以上、CF(P)パスに併用する患者説明用パンフレットは、オリエンテーションの質の向上には、精神面での課題は残るものの有用と評価できた一方で、業務の効率化にはさらなる改善が必要と考えられた。

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© 2004 一般社団法人日本クリニカルパス学会
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