外来化学療法加算の新設に伴い、薬剤科では平成14年4月より外来患者への癌化学療法に際し抗癌剤の用量・用法・副作用チェックおよびミキシングを実施している。患者のQOLを損なわず、より一層の安全性および患者の化学療法への不安払拭の観点より当院繁用プロトコール(レボホリナート・フルオロウラシル療法)のパスを作成し、平成15年7月より試行導入した。
パス導入の効果としては、医師の患者へのインフォームド・コンセントが容易になり、医療スタッフの癌化学療法に対する意識およびチェック機能強化により安全性向上に寄与できた。また、パス導入前後の患者への聞き取り調査結果より、治療方針の理解度および在宅での副作用対応の理解度アップ・副作用に対する不安軽減が達成された。
パスの運用にあたり、外来スタッフと意見交換し部分的に改訂した。医療者用パスに受診時の問診欄を加え、患者用パスと、使用薬剤の説明や治療方法、副作用等をまとめた小冊子を作成した。また、化学療法施行中に必要があれば、薬剤師が患者の説明に赴くこととした。今後の課題として、指示および記録の重複・入院患者にも適用できるフォーマットの作成・バリアンスおよびアウトカムの設定が挙げられる。
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