聖路加国際病院では、2006年7月からDiagnosis Procedure Combination(以下DPC)が導入された。DPC制度では、医療の標準化と医療収益とのバランスが病院経営にとって非常に重要な項目となる。そこで今回、聖路加国際病院呼吸器内科にて使用している肺癌治療薬ゲフィチニブのクリニカルパスを対象として、DPC方式と出来高方式での各々の診療報酬点数から、それらの比率(以下DPC/出来高比)を算出し、医療収支状況の把握を行った。その結果、DPCの診療報酬点数は70,638点、出来高では42,560点となり、DPC/出来高比は1.66となった。すなわち、出来高制度の時に比べDPC導入後は、同一の治療をした場合に1.66倍の増収となることが判明した。この調査から、今後の医療は、医療の標準化と共に、経営面にも着目し、クリニカルパスとDPCを融合した医療を行うことが重要であると考える。