背景:摂食症の質問紙では文化による得点差が指摘されている。Eating Disorder Inventory-3(EDI-3)の回答スタイル(response style:RS)指標にも文化差が想定され,本研究では,EDI-3のサブスケールとRS指標の日本での特徴を検討した。
対象と方法:日本の摂食症患者114名および健常大学生183名を対象とし,EDI-3のサブスケールとRS指標を米国成人臨床サンプルとの比較から探索的な検討を行った。
結果:日米臨床群の比較では,サブスケールはやせ願望,身体不満足,完全癖,禁欲を除き,日本の方が高かった。RS指標は日本では米国よりも「非典型」「極めて非典型」となる例が多く,低頻度回答指標では前提となる「低頻度」が成立しなかった。
考察:各得点には個人の回答スタイルや文化的価値観の影響が示唆され,特に低頻度回答指標では文化的影響の検討が必要である。
結語:EDI-3のRS指標は文化的・心理的背景をとらえる手がかりとなる可能性がある。