はじめに:幼少期の喪失体験を背景に持つ摂食症児への看護実践を,愛着理論と家族レジリエンスの視点から検討した。
対象と方法:6歳時に母親と死別した神経性やせ症の女子中学生1名を対象に,診療録・看護記録等から入院中の発言・行動と看護介入を後方視的に整理した。
結果:身体・精神状態の安定に伴い,母親との死別や家族への思いが断片的な表出から具体的な語りへ変化した。看護師との対話や父親を含む交換日記を通して互いの思いを共有するようになり,BMI 16.8まで改善し,退院後の生活を見据えることができた。
考察:看護師との安定した関係性は悲嘆を言語化し意味づける基盤となり,父親への支援は家族内で互いの思いを共有する一助となったと考えられた。
結語:摂食症児への看護では,身体症状への支援に加え,喪失体験や悲嘆に目を向け,家族を含め安全な関係性の中で語りを支えることが重要である。