2013 年 54 巻 1 号 p. 16-24
京都市伏見区は京都市の最南部に位置し,日本酒の有名な産地である.対象地は 4 km2ほどの地域に酒造会社が所有する約50本の井戸が密集し,地下水の利用が盛んな地域である.本研究は,京都市伏見区域における浅井戸観測井の水位を対象として,周辺の揚水を伴った地下水位挙動を明らかにするために,現場計測ならびに数値解析による検討を行ったものである.本研究の成果として,浅井戸観測井の水位変化を求めるための3次元地層モデルを作成し,酒造会社が密集する場においての地下水位を推定し,実測値と比較的に整合していることが認められた.