応用地質
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京都府相楽丘陵の水理地質
清水 欣一川崎 敏
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1976 年 17 巻 2 号 p. 55-61

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抄録

相楽丘陵は水理地質学的に調査, 研究した結果, 以下のことがわかった。
1) 丘陵の主要な構成地質はソノハれき層と大阪層群であり, うち大阪層群の砂れき, 砂層が主な帯水層であると考えられる。
2) 丘陵には被圧地下水が賦存し, 深度110~120mの深井戸で, 700~800m3/dayの揚水量がある。丘陵の地下水開発は日単位面積排水量1000m3/day/km2, 年単位面積排水量300000m3/rear/km2を目安として行なうべきであろう。
3) 丘陵の基盤岩は花崗岩と片麻岩で, 重力探査によって基盤を推定することができた。丘陵の最深部は木津町の下梅谷西方で, 地表下240mに達すると推定される。
4) 浅井戸の水質は汚染されているが, 大阪層群を帯水層とする深井戸の水質は良好であり, 表流水→W1, W3群→W5群への水質変化の進行がみられる。

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© 日本応用地質学会
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