応用地質
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多層地盤における堀割道路建設時の地下水流動保全対策
大東 憲二兼脇 悠一松田 康弘佐伯 茂雄
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2005 年 45 巻 6 号 p. 324-331

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抄録

本論文では, 堀割構造物建設に伴って施工される地中壁によって, 浅層にある不圧地下水とその下部にある被圧地下水の両方が影響を受ける場合を想定し, このような多層地盤における地下水流動保全対策のあり方を研究した結果をまとめた.
本研究においては, 多層地盤を三次元有限要素でモデル化し, 地下水流動保全対策として通水パイプを想定し, 三次元地盤モデルに重ね合わせた. また, 地中壁もモデル化して, 三次元地盤モデルに組み込んだ. そして, 地中壁の根入れ深さと粘土層の深度との関係, 粘土層の透水性, 通水パイプの設置間隔や通水能力を変化させて解析を行った.
これらの解析結果から, 事前の地質調査で推定した粘土層厚の深度や透水性が実際と異なっていると, 地下水流動保全対策の効果がほとんどなくなってしまうことが明らかになった.

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© 日本応用地質学会
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