応用地質
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山口県中央部, 徳佐-地福断層南西部と木戸山西方断層北東端の性状および活動性
森岡 達也佐川 厚志金折 裕司田中 竹延
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2007 年 48 巻 1 号 p. 35-47

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抄録

山口県中部の徳佐-地福断層と木戸山西方断層の性状および活動性を明らかにする目的で, 阿東町内の篠目地区と田代地区において, 地形判読, 断層露頭, トレンチおよびボーリング調査を実施した. 篠目地区の木戸山西方断層の活断層露頭では, 礫層中に幅約10cmの断層ガウジが明瞭に認められた. 断層に切られている斜面堆積層の14C年代から, 木戸山西方断層の最新活動時期は約5,400年前以降と判断される. 一方, 徳佐-地福断層のトレンチ調査では, 約70cm南上がり変位の断層が確認され, 断層を覆う礫層の14C年代から, 最新活動時期は約7,600年前以前または約6,300年前以降となる. 田代地区では, 徳佐-地福断層のトレンチ調査により断層を覆うシルト試料の14C年代から, 最新活動時期は約5,200年前以前となる. さらに, 群列ボーリング調査によって, この断層を覆う腐植質シルト試料と断層に切られる含礫シルト試料の14C年代から, 最新活動時期は7,000または5,200年前以前もしくは6,700~5,200年前であると判断される. 上記の年代を総合すると, 徳佐-地福断層の最新活動時期は5,200年前以前であると判断される.

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© 日本応用地質学会
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