応用地質
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山地災害の『免疫性』について
今村 遼平
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2007 年 48 巻 3 号 p. 132-140

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抄録
1953年に小出博が山地災害 (土砂災害) の“免疫性”の概念を提唱して以来, この言葉は防災関係者の間でもときどき使われてきた. しかし, 山地災害の“免疫性”の本質に関して深い考察がなされないままに使われてきたのが実情である. 本論では, 山地災害 (地すべり・斜面崩壊・土石流など) の“免疫性”の本質は, ある空間における物質 (土砂や水など) の“貯留現象”の有無にあることを明らかにした. そして, 貯留の行われる場 (貯留される物質の“容れ物”) の空間規模とそこへ供給される物質の量によって, 免疫性の有効期限が決まってくることを明らかにし, 免疫 (貯留) の及ぶ空間の性質についても言及した. また, “免疫性の有無”は時間スケールを決めたうえでの議論でないと意味がないことを示した.
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© 日本応用地質学会
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