1994 年 10 巻 3 号 p. 43-50
米国の最新のマルチメディアを利用した,カリキュラムの開発方法/考え方の考察から,現在日本で行われている「既存のカリキュラムに対して,如何にすればマルチメディアを有効に適用できるか」と言う方向から,「マルチメディアが提供しうる機能・特性を活かす為のカリキュラムは如何なるものか」と言う方向へ,発想を180度転換する必要性が示唆される.それにより,現在の,硬直化した知識体系優先の縦割りカリキュラムから,新しい学力観に基ずいたスキル優先のクロスカリキュラムへの移行が促進され,結果的にマルチメディアの必然性が,高度情報化社会に求められる新しい資質を養う観点から明確化されると考える.