教育情報研究
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問題解決能力の育成をめざした授業における学生の能力育成に関する自己評価
渡辺 寛二佐藤 妙子稲浦 綾石桁 正
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2004 年 20 巻 2 号 p. 15-26

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抄録

問題解決能力は、高等教育機関を卒業した者が実社会に出て、仕事をする際に必要とされる基盤能力のひとつである.著者らは、仕事上起こる問題や問題事態を想定し、問題を発見し、問題が起こった背景を明確にし、問題を定式化し、その解決案を複数個考え出すといった、いわゆる問題解決能力の育成の必要性から、これらの能力の育成をめざした教材(ワークブック)を作成し、授業の設計などを行ってきた.こうした経過から、設計した授業を実践する場として、本学では問題解決能力の育成のための授業が行われている。授業を実践した際、その目的を達成することができたかを評価することは必須である.本学で行っている授業でも受講生に演習を行わせたり、受講態度を観察したりして、受講生の問題解決の基本的な能力がついたかを評価している.しかしながら、学生自身が問題解決能力を育成できたと感じているかどうかということを演習や授業態度から評価することは難しい.そこで、受講生にアンケート調査という形で、問題解決についての5つの側面を主観的に自己評価させることで,受講生たちの意識などを調査することにした.また、授業を受ける前と授業を受けた後に同じ調査を行い、その結果を比較することで能力がついたと感じているかどうかを把握することとした.調査の結果と分析から、受講生たちは、問題解決能力を育成することができたと感じていることが分かった.

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