教育情報研究
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TIMSS,PISA及び全国学力・学習状況調査からみる我が国の統計的リテラシーの実態
槇 誠司 堀田 龍也
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2015 年 31 巻 3 号 p. 13-22

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抄録

本研究では,情報リテラシーの視座から児童生徒の統計的リテラシーに関する課題を見出すことを試みた.統計的リテラシーの実態をTIMSS,PISA及び全国学力・学習状況調査の結果を利用して比較分析した.その結果,グラフや表を読み取る設問の正答率は高く,代表値等や百分率を問う設問の正答率は低い傾向にあることから,単純なグラフや表等の情報を読み取ることができるが,代表値等や百分率についての理解が十分でないことが想定された.さらに,設問の解答を得るのに必要な統計的リテラシーの要素が増えると正答率が低下する傾向にあることから,情報の分析に必要な統計的リテラシーの要素が増えると情報を適切に分析することができないことが想定された.今後の課題は,統計的リテラシーに関する内容が,どの程度教科書に反映されているかを調査し,その結果と本研究で得た課題との関連性について研究する必要がある.

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