抄録
本研究の目的は,「情報の安全な利用(危険回避,犯罪防止)」に関する情報モラル意識に対する社会的自己制御の影響について検討することである.大学生226名を対象とした調査の結果,「危険回避」,「犯罪防止」,「安全な利用」因子に対して,社会的自己制御の主効果が概ね認められ,社会的自己制御水準の高い人の方が,情報モラル意識が高い水準にあることが示された.このことから,「情報の安全な利用」に関する情報モラル意識を高めるには,学習者の社会的自己制御水準に応じた指導を展開することが重要であると示唆された.