抄録
1人1台端末が整備され,児童が学級全体に向けて発言する場面において,話し手の児童に対して聞き手の児童が情報端末を使用して発言内容にコメントを入力するなど,学習者間でフィードバックを瞬時に共有することが可能になった.そこで本研究は,学習者間でフィードバックを瞬時に共有する学習の実施のあり方や,実現のために必要な指導を提案するために,他者の発言を聞きながらコメントを入力する学習活動に対する児童の意識調査を実施した.結果,聞き手は学習活動に対して概ね肯定的な意識を有しており,コメントを入力することによって考えながら聞くことや他の児童の考えと自分の考えを比較できることに良さを感じていること,一部の児童は聞くことに集中したいと感じていることが示唆された.話し手は,聞き手が入力したコメントによって自分の発言に対するフィードバックが得られることを有益だと感じていることが示唆された.