抄録
本研究の目的は,重症心身障害児の指導や支援に役立つアプリケーション(アプリ)を特定することである.文献データベース,Web サイト,App Storeを対象としたスコーピングレビューによりアプリを抽出し,Mobile Application Rating Scaleを用いてアプリの質を評価した.結果,62個のアプリが抽出された.量的には,簡単な操作によって映像や音の変化を感じるアプリ(15個)が最も多く,質的には,自らの動きでキャラクターや他の機器を操作することができるアプリが充実していることが示された.一方,コミュニケーション(5個)や身の回りのことに活用できるアプリ(4個)は少なく,機能性やデザイン性,愛用度が低い傾向にあることが明らかになった.本研究は,重症心身障害児の指導や支援におけるアプリ選択や,新たなアプリ開発の一助となることが期待される.