抄録
本研究は,高校「情報Ⅰ」の授業で画像生成AI「Adobe Firefly」を活用し,2045年問題(シンギュラリティ)への理解と未来社会の考察を促す教育実践報告である.青森県内の高等学校1学年162名を対象に,プロンプトの試行錯誤による自己調整学習と,生成画像を用いたグループディスカッションを実施した.事前調査では2045年問題について十分な知識を持つ生徒は少数であったが,授業後の自己評価では98%が理解の深化を報告している.生徒はAIによる労働変化,倫理的問題,経済格差などについて多角的に議論し,AI技術の両義性について考察を深める様子が観察された.1校での限定的な実践であり,効果の客観的検証や他校での再現性確認など課題が残されているが,画像生成AIを活用した情報教育の新たな可能性を示す実践として意義があると考えられる.