現在の情報化社会では, 誰でも自分が直面する問題を解決するために広く情報を収集し, 活用をする能力 (以下情報収集と惰報活用を合わせて情報活用と呼ぶ) が要求されている. その能力を育成するために, まずわれわれは情報活用の具体例を集め, その中から情報活用の共通概念を把握した. これは情報活用を定式化したものであって, したがって得られた概念チャート図は汎用性があるといえる. こうした準備の下で, われわれはワープロ演習の課題作成のときに学生たちにこの概念チャート図を与え, 課題作成のための情報活用に利用させた. その結果, 漏れ落ちの少ない課題作品が作成できた学生たちは情報活用するとき, 考えなければならない事項について, 他の学生と意識のレベルに差が出ることが分かった. また, ワープロ演習の課題は2種類のものを課した. 1つは案内文の作成であり, もう1つは作表と文書入力を含めた総合課題である. この2つは課題の性質が異なる. それぞれに上記の概念チャート図を与え, 情報活用に利用させた. その結果, 両者は異なった傾向で利用されていて, 問題解決場面が異なるとそれに応じた利用がなされ, 汎用性の一端が確認できた.