抄録
学校教育においてマルチメディア教材を開発し,利用できる環境の整備が現実のものとなりはじめ,教師の教材開発を支援するための資料が必要とされてきている.そこで,マルチメディア教育利用の推進のための映像・音声・図形・文字等の素材データベースを構築し,必要に応じて教材に編集可能な利用システムを用意し,教師による使用を行った.使用後の調査結果から,素材データベースの利用がマルチメディア教材の開発に有効であり,特に,コンピュータに不慣れな教師において顕著であることが明らかとなった.また,校種の違いによりマルテメディアの利用期待に異なる傾向がみられ,素材情報の収集における配慮が必要となることが指摘された.さらに,蓄積された素材データベースの流通には光磁気ディスク・CD-ROMの利用が当面考えられるが,素材情報のみでなく利用例等を示した補助資料を添付する必要性も示唆された.